施 主:『耐震や断熱は大丈夫ですか?』
設計士:『勿論、大丈夫ですよ~』
よくあるやり取りです。
僕たち設計士の言葉はお客さんにとって『魔法の言葉』、
それだけで安心してしまいます。
でも本当は『大丈夫!』にも色々あります。
国で定められている建築基準法、当然耐震についても規定が有りますが、
これをクリアしているだけでも『大丈夫ですよ!』と言えてしまいます。
でも建築基準法って実は最低ランクの基準なのです。
基準に満たない物は建てられないレベルなのに、
少しでも基準を上回れば『大丈夫!』って可笑しくないですか?
正確には『ぎりぎり大丈夫!』です。
福井は雨、雪、湿度の多い土地なのに全国共通の基準を物差しにして、
『ぎりぎり大丈夫!』、そんなのは大丈夫じゃありません。
(福井の順位、湿度7位・降水量6位・降雨日数4位・積雪量6位・積雪日数12位)
断熱・気密については基準すらありません。
何を根拠に『大丈夫!』なんでしょう?
『高気密・高断熱』について批判的な意見も有りますが、
デメリットよりメリットの方が圧倒的に多いです。
気密と断熱の性能を上げるという事は、
少ないエネルギーで環境をコントロールしやすくするという事です。
快適な環境で生活すると、
色々な病気が改善するという研究データもあるくらいですので、
自分の家族には快適な環境で暮らして欲しいと思うのは当然な事だと思います。
当り前の事なのですが『アトリエ5ではデザインありきの住宅は設計致しません』
当然、耐震や断熱にはコストが掛かりますので、
デザインや大きさに制限がかかりますが、
信頼して頂けるからこその責任だと思います。
住宅を設計する時には、曖昧な大丈夫ではなく、
『深度7の地震でも、周りの建物が倒壊しても、僕の作る家は倒壊しない』、
『福井の真冬でもエアコン一台で家中ポカポカ』です、
と言える建物を前提に設計させて頂きたいです。