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【マドリ塾】08|玄関を配置する

マドリ塾 理想の間取りをつくってみよう 08 玄関を配置する

ここからは各部屋ごとにポイントや注意点を解説していきます。

 

全ての部屋で確認して欲しい事はその部屋は何を重視するのか決めてから計画するという事です。

 

玄関であれば、『もてなす』・『機能的』・『楽しむ』など人によって目的は変ります。

 

どんな玄関を求めるのかテーマを決めて計画しましょう。


目次


1.玄関の位置

建物全体を

  • プライベート(見られたくない場所)
  • パブリック(お客さんも”どうぞ”な場所)

に分けた場合、玄関の位置は次の図のようになります。

 

大きくわけて

 

①プライベートとパブリックの中央

②パブリックの角

③パブリックの中央

 

この3種類になります。

 

 

④と⑤も物理的には可能です。

 

ですが、いきなり来客者をプライベートに通すことはないので除外します。


それぞれの特徴を説明します。

 

 

①・③の中央入りは、部屋へアクセスできる壁面が3面あります。

 

とても効率が良く廊下を減らすことができます。

 

その代わり、窓を設けることが難しくなります。

 

階段や吹抜けを設けて、上から光を取り込むなどの採光の工夫が必要になります。

 

 

②の角入りは窓を設けやすいため、明るい玄関がつくれます。

 

玄関を通って庭にアクセスするなど、外部を内空間に取り込むことに向いています。

 

 

どのタイプが良いかは、『 02|ゾーニング後編 』で設けた”欲しい家、暮らしの要件”によって判断しましょう。

2.玄関までのアプローチ

メインとなる道路の位置でアプローチの作り方が決まります。

上図のように、プライベートとパブリック領域の形やLDKをどちらの領域に入れるかによっても変わります。

 

ですが、テーマがしっかりしていればどのタイプになるか判断出来ると思います。

 

 

長く歩かせるアプローチの場合は色々な演出が可能になります。

 

ワクワクするような工夫を考えてみましょう。

 

 

この他にも中庭タイプであったり、玄関からまた外に出るなど凝った間取りにしたい方は、割り切って建築士を入れて下さい。

 

それが1番経済的です。

3.玄関の大きさ

玄関の大きさってどのくらいが適正?

 

これは人それぞれだと思います。

 

今回は小さい玄関の限界を示したいと思います。

 

小さな玄関を理解すれば、大きな玄関も問題なく計画することができるからです。

『 07|壁と建具と窓の話 』を参照して壁厚を決めてCの数値は計算して下さい。

 

壁厚が決まらない方は175mmで計算して下さい。

 

限界サイズのCは壁厚175mm・尺モジュールの方で1,190mmになります。

 

下足箱を置かないのであれば使える寸法ですが、置くとちょっと苦しいですね。

 

それにAとBの数値に決まりはありませんがどちらも150mm以上は欲しいです。

 

Aが小さいと風で煽られて外壁やドアを痛めたり、開いたまま保持できなくなるのでこれも注意しましょう。

 

 

また最近の玄関ドアは防犯上の理由から、ガラス面が非常に小さくポストがついていないハイドアが主流です。

  • ドア面では明かりは確保できない
  • ポストを設けられない

と考えて下さい。

 

 

そうなると最低推奨サイズになり玄関幅は4マスにすることをお勧めします。

 

これより大きくなる分には、それほど注意点はありません。

 

さらに大きく土間を設けて趣味等で利用するような場合は、断熱や冷暖房設備の設置場所等を考慮する程度でしょうか。

 

 

余談ですが、玄関ドアは窓に比べて断熱性能がそれほど高くありません。

 

ですが、一般的な玄関には冷暖房設備を置かないので、そこまで気にしなくて大丈夫です。

 

 

最高の断熱性能を持つ冷蔵庫でも電源を入れなければ意味がないのと同じです。

 

ドアに西日や朝日が直接当たるような場合は別ですが・・・。

4.玄関框の位置

下に2つの玄関の図があります。

 

一見、なんの問題もなさそうですが共通して問題となる部分があります。

 

どこか分かりますか?

正解は出入りの際に下足が邪魔になる事です。

 

ドアのケースのように動かすスペースがある場合は、左にずらして邪魔にならないようにしましょう。

 

引き戸のケースのように動かすスペースがない場合は、入り口を逆にする若しくは玄関框(上がる部分)を右にずらして邪魔にならないようにして下さい。

5.玄関引き戸

引き戸で人気なのが吊り戸仕様のこのタイプ。

 

オシャレで自動ドアにする事も可能なため、車椅子でも安心です。

 

半分が壁の方は1本引き戸、防犯ガラスになっている方は片袖タイプといいます。

 

どちらのモジュールにも対応していて設置するには壁芯で方眼紙4マスあれば大丈夫です。

 

ちなみに有効開口は両タイプとも839mmです。

 

※1マス455mm・500mm


6.玄関ドア

ドアの主流はこの2タイプになります。

 

防犯ガラス無しの方を片開きタイプ、有りの方を片袖タイプと呼びます。

 

この章の大きさで解説した通り片開きは壁芯3マスあれば設置は可能です。

 

片袖タイプは外側で約1,300mmあり設置には4マス必要です。

 

因みに有効開口は両タイプとも813mm~864mmです。

 

※1マス455mm・500mm


他にも色々なタイプのドア・引き戸があります。

 

気になる方はトステム(LIXIL)・YKK・三協アルミなどで検索してみて下さい。

 

デザインも色々ありますので楽しいと思いますよ。

7.下足箱

下足箱の大きさも正しく把握して間取りに書き込みましょう。

 

書いてみると意外に不具合があったりします。

 

下足箱のサイズは図にしておきますので参考にして下さい。

 

下足の量は個人差があります。

 

目安は次の章で詳しく解説します。

 

ちなみに、740幅で一段3足収納できます。

8.間取りにする

最後に例題を仕上げこの章は終わりです。

 

・仕上前

・仕上後

これらを参考にして間取りに書き込んでみて下さい。

  

ポストの計画も忘れずに!!

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